年間テーマをモチーフにしたスカーフ

2011.05.17

「年間テーマ」は1987年にデュマによって設定された。企業が年間目標を掲げることはよくあるが、顧客が参加するようなテーマの設定は珍しい。内容はといえばその名のごとく、1年間特定のテーマにそってエルメスの商品やメセナ活動などが展開されるというものだ。デュマはこれを長期的な「エルメスーグループの経営戦略の表現」だと語っている(「BRUTUS」前掲)。それぞれのテーマは前年となんらかの関わりを持っている。例えば「フランス」の年に祖国を見たので、次は外に出ようと「アウトドア」というように、である。新しい年になると年間テーマをモチーフにしたスカーフや小物が店頭に次々と登場する。カデナ(南京錠)はその代表的なアイテムで、「アフリカ」の年はライオン、「星」の年には星と、コレクターも存在する。年間テーマという物語性そして限定性を与えられると、南京錠までもが購買欲をそそるものになってしまうのが不思議なところである。スカーフは年2回コレクションが発表されるが、近年のカタログには各期に8点前後のデザインが掲載されている。そのうち3点前後がテーマにそったものになり、これもコレクターの関心をひいている。