炎の光は青白い

2011.06.23

「ライムライトは太陽の光とも肩を並べることができます」19世紀の初めに、「白い光」をつくりだす二つの試みが行なわれた。炎を利用する白い光の明かりと、電気を利用する白い光の明かりである。その一つ、「ライムライト」は炎を利用した白い光の明かりである。ライムライトと聞くと、チャーリー・チャップリンの映画「ライムライト」の、チャップリン自身の作曲による哀愁に満ちたテーマ音楽を思いだす方も多いと思う。若いころは人気を博したのに、いまは年老いて落ちぶれた道化師と若いバレリーナとの淡い愛情を描いた名作である。いま、「ライムライト」という言葉は、名声とか注目の的といった意味で用いられるようになっているが、この映画で「ライムライト」というのは明かり、つまり老道化師が若いころに浴びたスポットライト、そして若いバレリーナが新たに浴びるスポットライトを意味している。ジョセフープリーストリーの発見した酸素(1774年)やヘンリー・キャヅエンディッシュの発見した水素(1766年)は、19世紀の初めころには手軽に得られるようになっていた。酸素と水素を反応させると激しく燃えて水が生成されることも知られていた。酸素と水素を燃やして得られる炎「酸水素炎」は約2800℃、条件によっては3000℃にも達する。ロウソクやオイルランプでは得られない超高温と言ってもよい。この炎の光は青白く、ほとんど眼には見えない。