リサイクルできない形にしてリサイクルに回しても何にもならないのですが、だからといって、ペットボトルをポリ袋に入れてリサイクルした人が環境を軽視しているということではありません。使い終おった後、プラスチックの溶解性を考えなければならない社会システムの方が間違っています。このような理由で「ペットボトルをリサイクルする」というものの、実際にはペットボトルをまたペットボトルとして利用することができていないのです。また私たち消費者としても一度誰かが使い、何が入っていたか判らないペットボトルを飲料用には使いたくないという気持ちもあります。そこでリサイクルされたペットボトルを別の用途に向けます。ペットボトルの原料はポリエステルで性能が良いものですから、ワイシャツ、綿と混紡しての繊維製品、それに婦人物の細い糸で織ったジョーゼットなどに使えます。しかし、リサイクルをして得られる再生原料は最初の原料に比較して品質が悪く、ペットボトルや長繊維の糸にはなりません。結局、品質が悪くても使える用途として、例えば防寒服の綿などに使用されますが、それも日本ではあまりよろこばれません。もともと素晴らしい性質を持っているからこそ、多少高い値段でも使っているポリエステルですから、品質の悪いポリエステルは材料としては魅力がありません。現実にボトルを分別しているところ、集められたペットボトルを選別しているところ、山のように積まれたペットボトル、そして再生のための工程などをよく知れば知るほど、ペットボトルのリサイクルが無理なことが判ります。結局は、このようなことを反映してリサイクルされたポリエステルは品質が悪い上に、新品の価格の2倍以上になっているのです。