満点を目標にするのではなく、捨てるところは思いきって捨て、とれるところは確実にとって合格最低点プラスアルファを狙うというのが、大学受験計画を立てるときの基本戦略だったはずである。不安から手をつけていなかった新しい問題ばかりをやっていると、確実にとれるはずの問題がとれなくなってしまう恐れがある。いたずらな不安や、もっと得点力を上積みしてやろうなどというヘタな欲を持つことは、百害あって一利なしだ。やり残した課題は三、復習は七ぐらいがちょうどいい配分なのである。復習のやり方としては、今までやったすべての過去問、カード、参考書、問題集をくり返し見て、忘れていないかをチェックする。しつこいぐらいくり返し見ることだ。これをやると、完璧に覚えたと思い込んでいたはずなのに、忘れていたところがかなりあることに気づくはずだ。そういった傷口を手当てしないで新しい技を覚えようとしても、どちらも中途半端に終わるだけだ。入試直前の追い込み期は、どんな秀才でも不安をもつものだ。いよいよ心理戦の時期に入ったのだと言ってよい。そういうときに不安をおさえてくれるのが、自分の手垢がついた赤本や問題集である。こわくなって新しい問題に手を出したほうが負けなのである。