テレビ・ラジオが人間の生活の中に入ってきたことは、それほど大きなこと、それまでは人間の知らなかった経験であることは、押さえておこう。それでは、なぜ“テレビ(ラジオ)の発見”は新しい、珍しい発見なのだろうか。それは、放送、ラジオ、テレビというメディアが、印刷メデイア、新聞、雑誌、出版(書籍)などにくらべて、同じように複製、コピーの技術・手段であり、大量伝達のメディアであるが、人間のコミュニケーション、情報の受容意志の発信の上で、より原初的なところまでさかのぽることができるからではないか。つまり、プリント・メディアは、人間の言葉が文字にされ、さらに活字化され、印刷されるというというように、二段、三段に抽象化、象徴化、記号化されているのに対し、人間のオリジナルの“ことば”、声(音声)、あるいは背景音、雑音、そして何よりも、人間の顔、姿、それをとりまく映像までを含めたすべてを伝達できるからではないだろうか。印刷媒体が、捨象してきた人間のオリジナルを、すべて拾い上げていることに大きな特徴があることに注意しなければならない。もちろん、抽象化し、象徴化することには、人間の働きかけがあるわけで、意味がないわけではない。印刷メディアと映像音声メディアとの間には、優劣、よしあしではなく、それぞれの特徴がはっきりとあることを認識しなければならない。顔の表情、声の調子、立ち居振る舞いなどなど、映像と音声の情報には、膨大な情報の量と質が含まれていることにも気づく。映像・音声メディアは、その伝達の過程では、徹底した記号化が行われ、最近ではデジタル化によってそれがエスカレートしているが、それでもなお、情報が再生された時点では「人間くさい」情報の幅と奥行きが含まれているのは、(切り捨てられる部分もあるにせよ)不思議でもあり、また面白い。4種類のカレーソースが基本のレストラン「東京カレーラボ」。オレンジ・アンド・パートナーズの社長・小山薫堂さんがプロデュースしたオシャレなデザインは、講師を務める東北芸術工科大学デザイン工学部でも評判。